メッセージ Message
コンセプト Concept
一枚のガラスの中に絵が見えたとき、それは特別なガラスになります。まだ輪郭もはっきりしない漠然としたイメージの時もあります。
絵画を絵の具で描くように自由さを失わないでデザインするためには、ガラスの表情や質感と対話し
如何に美しさをひきだせるかが、優れた作品作りに欠かせない要素だと考えております。
制作の流れ
ステンドグラスの制作において、デザインは設置する建築空間でのバランスと、用途の、双方が無くてはならない要素です。
それらを踏まえた上で、設置する空間の用途・場所・方向・サイズなどをお聞きし、デザイン、色彩、技法などを細かく検討していきます。
ステンドグラス本来の鮮やかさが、その空間の空気感を損なってしまわないよう、光と色彩のバランスをよく考察することが重要なポイントとなります。
デザインのために選ばれた色ガラスが心地よい空間を作りあげているか、実際の透過光を想定することにより、どのように調和するか予測し、ご提案いたします。
制作はすべて手仕事で行います。デザインから型紙制作、何百ものガラスを切り出し、形を整え、組み上げるまで綿密な作業が続きます。指先の感覚と視覚をたよりに、機械では出せない細やかなニュアンスや表情の違いを表現することができます。
それぞれのガラスが、複雑な表情や質感をもっており同じ品番の板ガラスでも一枚として同じものはありません。そういった理由からステンドグラスのオーダー制作には、メーカーにて直接厳選した美しいガラスを使用しております。
ステンドグラス制作において、一枚の板ガラスのどの部分から如何に美しい場所を切り出し、デザインに映り込ませられるかは、優れたデザインを追及する事と同様に、欠かせない重要な要素だと考えます。
ステンドグラスは、ガラスと光によって様々に変化するアートです。一般的な絵画や彫刻などは、表面の色彩の反射によって見えるものですが、ステンドグラスで見える色彩はガラスを透過してくる光によります。
変り行く太陽の光や、季節や天候、時刻にしたがって変化し、「光り」は色を纏い映像のように映しだされます
かつてステンドグラスの「光り」は宗教や哲学の焦点となり、教会のステンドグラスは誰もが思い浮かべるイメージです。
伝統の技法を受け継ぎつつ、現代の空間のなかで「環境を取り込んだ」アートとして、その価値を発揮するよう、また期待したとうりの雰囲気と輝きを放ってくれることを願いつつ、仕上げ工程も丁寧にじっくりと時間をかけます。
使用するガラスについて
ステンドグラス工房VITRAIL円では、ヨーロッパの古典的な技法で作られた手吹きガラスのアンティークガラスと、マシンメイド(機械製)のガラスを使用しています。
建築パネルでは主にアンティークガラスを使用していますが、デザインに適した場合は、ガラスの種類に寄らずマシンメイドのガラスも使用いたします。
略歴 Biography
中川 円
madoka nakagawa
- 1977
- 大阪府大阪市にうまれる
- 1997
- 大谷女子短期大学国際文化学科 卒業
- 2000
- スタジオ・デコプロコースへ入学
北條日出子氏に師事
- 2002
- オリジナルステンドグラスの制作を開始
vitrail 円ステンドグラス工房設立
- 2009
- 個展 大阪・箕面 「橋本亭」
- 2011
- 璃房ステンドグラス五味理氏に師事
建築パネル施工経験を積む
- 2016
- 第66回東京都美術館 流形展入選
- 2017
- vitrail 円ステンドグラス教室開講
現在はステンドグラス作家として東京にて活動中